2008年8月30日土曜日

O先生の一周忌

8月24日に私の以前大学の同僚であり、また現在勤めている会社の同僚でもあるO先生の一周忌があった。何ともおかしな関係である。去年の3月にトルコで事故に遭い、8月24日に逝去した。
考えてみればこの1年間は色々あった。O先生の逝去に続き、O嬢に躓いてこの世を去ったT先生。以前付き合っていた女性に「彼女と付き合っていると破滅する」と言われたことがあるが、それは本当だったようだ。ただし私ではなかったが。当のO嬢も心の病が治らず6月にとうとう退職。冬には国会審議に私が手伝っている公益法人が他の49団体とともにノミネートされ、痛くない腹を探られ、余計で大変な思いをさせられた。
過ぎてしまえば、1年はあっという間だ。暑い夏も終わり、涼しい風が吹くようになると、少々気が早いようであるが、冬の気配を感じる。

2008年8月20日水曜日

植物画レイアウト

植物画というものをある程度知っていないと、レイアウトデザインはできないというのが、今回の感想。結局協会会長のご主人(顧問)にお手伝いいただいて、何とかなった。なかなか辛口の人だったが、指摘は適切で、いちいち尤もだと思った。
特に表紙のデザインは、12月の花々を周りにちりばめたもので、形や色がうまくバランスし、とても華やかなものに仕上がった。とてもまねのできるものではない。
という訳で、レイアウトや編集、さらには穴あけの手作業にも大幅に時間がかかってしまい、結局印刷会社から納品が始まったのが、7月末。約1か月以上遅れた計算になる。しかし、スタートなので、少なくとも品質は確保したいということだったので、出来映えには満足している。

2008年8月19日火曜日

穴あけ!?がまた難関

カレンダーには、リングを通す穴があけられる。直径6mmの穴を6mmピッチで19個あけなければならない。その穴あけが次なる難関となった。
ただの穴あけだから、専用の穴あけ機で機械的にどんどん空けられるものと勘ぐっていた。しかし、聞いて驚いた。何と穴は1個1個、しかも厚さがあるので、表裏から空けるという。だから延べ38回の穴空け作業が必要なのである。それを聞いた時は、自分の耳が信じられず、思わず気絶しそうになった。どうやら少なくとも北海道には、そんな便利な機械はないらしい。リングのように、関東近郊にはそうした専門の製本会社もあるのだろうが、何と北海道の文化作業の底の厚さか。この予想外の作業のために、多大のコストと時間を労することとなった。

2008年8月18日月曜日

スパイラルリング!?

カレンダーを留めるリングは、最近では機械製本に適した「ダブルリング」というリングがほとんどとのこと。しかし、このリングではあまりにも品がない。どうしても昔ながらのスパイラルリングにしようということで、印刷会社に問い合わせたところ、何と、「ない」という素っ気ない返事。思わず自分の耳を疑う。アメリカのカレンダーはスパイラルリングで綴じられているのに、世界の経済大国日本にどうしてないの?そんなはずはないということで、インターネットで調べたら、やはりあった。ただ、北海道では扱っていないだけのことだった。結局埼玉県のリング製造会社に依頼することになったが、こちらで欲しい色や形のリングは特注品とのことで、最低のロットが何何と2万個。とりあえず欲しいのは4千個なのに、1万6千個も余ってしまう。既製品なら何個でもOKなのだが、非常に迷うところである。もちろん1個あたりのコストも2倍くらい違う。予算オーバーだ。
しかし、どうせ作るなら後悔したくないので、思い切って特注リング2万個を発注した。吉と出るか凶と出るか?
それにしても、たかがリングくらい北海道で作っていないのかと思う。後で分かったことであるが、例えばデパートの紙袋さえも、大半が本州からの移入だし、有名な話であるが、手袋の主生産地が四国の香川県であるのも雪国北海道としては何とも情けない話である。
カレンダーの製造をきっかけに、北海道の産業基盤の薄さを実感したのだが、それはリングだけではなかった。

2008年8月17日日曜日

植物画集め

T先生のアドバイスに従い、植物画を366枚集めたカレンダー作成に取りかかる。
まずは1年分の掲載植物のリストづくり。これはT先生に依頼したが、あっという間にできあがってきた。今度はそのリストと植物画協会の会員のみなさんが持っている植物画と照らし合わせて、最終的な掲載リストを作成することにした。
リストづくりでは、協会の幹事さん4人が当社に集合し、作業にかかった。お昼の12時スタートし、ある程度終了したのは、翌日の午前2時。なんと14時間ぶっ通しの作業。恐るべし女性パワー!
次はできあがったリストに従って、それぞれの絵を持っている人たちから、原画を集める作業だが、これも幹事さん4人でやってくれた。それから3~4日後頃から、原画が集まり始めた。みるみるうちに、会議スペースは原画で埋まり、300枚あまりの原画でいっぱいになった。
今度は、その原画を写真撮影し、印刷用のデータを作る作業。印刷会社に写真撮影のコストを聞いたが、5,000円/枚!?それだと写真撮影だけでも150万円もかかってしまう!計画断念か?そこでたまたま道外に住んでいる知り合いの写真家が近くにいることが分かり、無理を承知で1,000円/枚で拝み倒す。その代わり、原画をアトリエまで届けるという条件だが。
そういうわけで、写真撮影終了したのが4月25日だった。

2008年8月15日金曜日

テーマは「花」でいこう!

北海道版カレンダーの第1号は、北海道の四季折々の風景や生活を写真で紹介するようなものにしよう。写真もプロではなく、地域に住む人たちが毎日の生活風景を撮りだめたものを使おう。と思ったが、肝心の地域の人たちがなかなか動かないまま、1年あまりが過ぎてしまった。こうなったら、1/1の成功モデルを作って、やる気を引き出そうということにした。
色々とテーマを考えた、北海道の自然、温泉など、考えられるテーマは多彩である。そんな中から、最近注目を集めている「花」をテーマにすることにした。それが今年の2月。
花と言えば、元北大教授のT先生。花のガイドブックも何冊か出している。掲載されている写真を使えば、比較的簡単にできる。と思いT先生に相談にいく。T先生も興味を示してくれたが、「どうせ作るなら、写真ではなく、絵の方がいい。もともと図鑑は絵なのだから」ということ。ただ、366点の植物の絵を描くのは大変な作業で、何年かかるか分からないと言うと。植物画の協会があるから、そこに相談してみたらということになった。
こうして2月の末、網走に住んでいる協会の会長を訪問することになる。ただ、この日は3日徹夜明けだったため、帰りの飛行機では、離陸も着陸も分からず、あげくの果てにスッチーの起こされる始末。後ろを見ると私が最後の乗客。なんとも照れくさい思いをした。

2008年8月11日月曜日

住んでよし、訪れてよしの国づくり




アーミッシュ・カレンダーの特徴のもうひとつは、366年の大半が日常の生活風景を題材としている点にある。そこには馬車が走り、農耕作業は馬が活躍し、人々の素朴な生活ぶりが描かれている。北海道の場合、北海道の優れた観光資源である自然景観が主として撮影対象となっているが、アーミッシュの場合は、美しい農村景観を背景に、そこで暮らす人々の普段の生活が描かれている。毎日見ていても、色々な表情の人々が登場し、飽きない。年月を重ねて使えば使うほど、カレンダーの良さが分かってくる、そしてもう一度行ってみたいという気になるのである。
こんな思い出そのものになるようなカレンダーを北海道でも作ってみたい。そう思うようになった。

2008年8月9日土曜日

はじまりは・・・アーミッシュ・カントリー


カレンダーづくりは2005年に米国オハイオ州のアーミッシュ・カントリーを訪れたことから始まった。アーミッシュは、ドイツ系の移民で、厳格なカソリック教徒で、現代文明には頼らず自給自足の生活を送っているのが特徴となっている。
そのためそれ自体が特徴的な文化的資源で、自ずと観光資源ともなっていて、多くの観光客が訪れるようになってきている。ただ、一般観光客が土足で彼らの生活の中に踏み込むことがないよう色々な工夫がされている。そのひとつがビジターセンターでのオリエンテーション。それによりアーミッシュの歴史や文化、生活スタイルなどを理解することができる。
私も一般の旅行者と同様、そのビジターセンターにお邪魔した。そこで見つけたのが写真の万年日めくりカレンダー。結局、それを10冊も買い込んで、帰国後、兄弟・親戚にお土産として配ったのである。
あれから3年あまり、我が家のカレンダーはしっかりしていて、後10年くらいは使えそうだ。このカレンダー毎年使えるというのもいいのだが、不思議と毎日1枚ずつめくるのが習慣になってくる。その旅にアーミッシュを思い出すのである。つまり毎日欠かさずアーミッシュを思い出すのである。そうしていると、また違う季節に行ってみたいと思うようになる。これはもうお土産の域を超えたリピート増加のための有効なツールである。これこそ観光立県をめざす北海道に必要なものではないか、そう感じたのである。

2008年8月8日金曜日

毎年日めくりカレンダー


6か月をかけて、ようやく毎年使える植物画の日めくりカレンダー(写真)が完成しました。あまりの完成度の高さに自分で酔っています。多分この種のものでは革命的とも言えるものだと自分では思いこんでいる始末です。
たかがカレンダーですが、このカレンダー1つ作る過程でも、実に色々な困難と直面し、その1つ1つを解決していく中で、多くのことが判明し、何にも代え難い勉強ができたと思っています。
これからしばらくはこのカレンダー制作にまつわる出来事を綴っていこうと思います。
まず始めにこのカレンダーのことをお話します。
カレンダーの名称は「植物画による毎年カレンダー~北海道花暦」といいます。曜日が入っていないので、何年でも使えるのが第一の特徴です。そしてこのカレンダーのクオリティを格段に高めているのが、「植物画~ボタニカル・アート」と言われる、366点の精密な植物画が描かれている点です。これだけの点数が集まっているのは多分日本でも初めてかと思います。
とりあえず今日はこの辺で。