2009年1月28日水曜日

貧困大国アメリカ


堤未果のルポルタージュであるが、民営化等による市場原理や競争原理により、サービス向上や値段の低下が期待されてきたものの、実際は中流階級の消滅し、大半が低所得者層に吸収されているという。法外な医療費や医療保険、4700万人が無保険状態という。病気になっても病院にはかかれないし、病院にかかれたとしても高い医療費支払いで一挙に破産に追い込まれる人がたくさんいる。
若者に仕組まれた軍産複合体制の罠も周到である。低所得者層の若者に焦点を絞ったアメの政策。軍への入隊しか選択肢がないように巧妙にし向けていく。
全ての公共サービスが民営化にシフトしていく、ついには戦争までもが派遣ビジネスを取り入れ、民営化していった。ブッシュの責任は非常に重いし、それにならい急激な民営化や競争原理の導入を進めていった小泉内閣の責任もとても思い。
以前からワーキングプアの問題が議論されてきたが、昨年9月以降は世界的な経済危機によって、一挙にワーキングプアが増加している。働き口があるのはまだ幸せで、働くこともできないでいる人々がたくさんいる。働けないと言うことは、本当に辛いことだと思う。社会の一員としての人とのつながりや生き甲斐もなく、毎日を暮らしていかなければならない。
20歳代の若者がこうした状況に陥れば、そこからはい上がってくるのは至難の業である。これからの40年、50年を将来への希望もなく生きていかなければならないのは、あまりにも残酷な話である。経済と何なのか。国とは何なのか。そして幸福とは何なのかを考えることが多くなった。

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