2009年12月15日火曜日

サイモン・シンの著作


先月、サイモン・シンの3著作を立て続けに読みました。最初が「フェルマーの最終定理」(新潮文庫)で、17世紀フランスの数学者ピエール・ド・フェルマー(1601年 - 1665年)が、書き残した「3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせがない」、という定理のことですが、その後400年間、無数の数学者が挑戦するも誰も解けずにいたのが、最終的にプリンストン大学のイギリス生まれの数学者アンドリュー・ワイルズが1994年10月に最終的な証明に成功した。
著者のサイモン・シン自身もケンブリッジ大学大学院で素粒子物理学の博士号を取得した物理学者でしたが、BBCに転職後、TVドキュメンタリー『フェルマーの最終定理』(’96年)で国内外の賞を多数受賞しました。
この本が興味深いのは、単にフェルマーの最終定理の数学的証明の経緯を述べるに止まらず、400年間に悪戦苦闘した数学者の人となりを緻密に記述している点で、ある意味伝記集といった感があります。こうした著作の傾向は、他の2冊「暗号解読」、「宇宙創生」などにも引き継がれ、数学や物理学を毛嫌いする人にとっても興味を持って読める内容だと思います。お勧めの1冊です。

0 件のコメント:

コメントを投稿